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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
 その翌日の昼下がり、徳姫は邦昭の御座所に赴いた。邦昭は平素から表御殿にいるよりは女たちの住まう奥向きにいる方が多い。口さがない家臣たちは〝殿〟は日がな奥向きに入り浸っておられる〟と囁いている。
 今も本来なら当然、表で政務を執っている時間帯なのだが、案の定、奥御殿にある居室でお気に入りの側妾と日中から淫事に耽っている有様だ。最初、徳姫は居間の中で何が起こっているか判らなかった。
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