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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
 しかし、邦昭は応えるまでの一瞬の間を見抜いていたようだ。皮肉げに口の端を歪め、肩を竦めた。
「殊勝な心がけだ。たとえ形だけでも俺の妻、ということか」
 短い沈黙が落ちた。何とも気づまりな静けさに徳姫が耐えかねて面を上げた時、邦昭の冷えたまなざしにぶつかった。まるで見る者を芯から凍らせるような冷めた瞳。
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