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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
「まったく往生際の悪い女だ」
あざ笑うように言い、更に近づいてくる。
「こ、来ないで―」
徳姫は泣きながら、夢中で後方へ這って逃れようとする。
「良い加減に観念しろ。そなたは今宵、俺のものになると決まっているのだ」
邦昭の頭には徳姫の身体を我が物にすることしかないようだった。今の彼は昏い情動に突き動かされ、猛り狂った獣のように駆り立てられているようだ。欲望に醜く歪んだ男の貌を見上げて、徳姫は恐怖の悲鳴を洩らした。