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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
「殿、その仰り様は、あまりといえばあまりではございませぬか」
葛木が一使用人の立場であることも忘れ果て、食い下がってゆく。だが、邦昭は葛木の方なぞ見ようともせずも徳姫を感情のこもらぬ瞳で一瞥すると、そのまま荒々しく襖を閉めた。
「姫さま」
葛木が呼びかけると、徳姫はひっそりと涙を流しながら呟いた。
「あの方をお信じした私が愚かであった」
そう言い、声を殺して泣き続けたのだった。
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