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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
 徳姫は水晶の数珠を手にして、日々、聖観世音に祈りを捧げた。
―どうか弟月丸の生命をお救い下さいませ。
幼き生命を助け給え、南無聖観世音菩薩。
 その懸命な祈りが聞き届けられたのかどうか、ほどなく月山城から再び文が寄越され、月丸の病がどうにか峠を越したと伝えられた。が、その病状は一時小康状態を得たというだけで、快癒は難しいとお付きの薬師は告げているという。
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