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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
状況はけして楽観できるものではなかった。
邦昭からは二、三度夜伽をするようにとの命が伝えられたきたが、徳姫はもう二度と、あのような男に身を委ねるのはご免だった。
恐らく、あの卑劣な男は最初から徳姫を月山に帰すつもりはなかったに相違ない。まるで騙し討ちのようなやり方に、徳姫は邦昭に対して全く信頼を持てなくなった。もっとも、婚礼の夜から、あの男のことは大嫌いだったから、今更、さして変わるとも思えなかったけれど。