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第3章 転機

「このような卑怯な真似をなさって、お恥ずかしくはないのですか？」
　つとめて内心の動揺を悟られまいと、懸命に冷静な声を出した。
「いつぞやも申し聞かせたであろう。俺は裏切る者より、裏切られる者が悪いのだと。そなたもそうだ。たかだか猫一匹に誘われて、人気のない場所にくる方が愚か者なのだ」
　邦昭が一歩、また一歩と詰め寄ってくる。
　徳姫は身の危険を感じた。