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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
 再び唇を重ねようとしてくる男を手を突っぱねて拒みながら、徳姫は無意識の中に愛しい男の名を呼んでいた。
「保邦さま、保邦さま、―助けて」
―私、いやなの。あなた以外の男に触れられるなんて、いや。保邦さま、お願い、どうか私を助けにきて。
 届くはずのない叫びと知りながら、徳姫は心の中で保邦に呼びかけた。
「そなた―」
 邦昭の両眼が愕きに見開かれた。
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