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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 隣の葛木は既に寝入ったのか、身じろぎもしない。起こすのは可哀想なので、話しかけることもせずに徳姫は眠れぬまま天井をじっと眺めていた。
 考えみれば、葛木も既に四十二になる。いつまでも心配ばかりかけていては駄目だと、今更ながらに反省せずにはいられなかった。
「―姫さま」
 突如として沈黙が破られ、徳姫は少し愕いた。眠っていたはずの葛木がゆっくりと身を起こす。
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