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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄
 徳姫は微笑んだ。
「そのように申すものではない。祝言の夜、こちらの窮地をお救い下さった佐治郎さまのお母君ではないか」
 あの夜、自分に救いの手を差しのべてくれた青年佐治郎の正体を知った時、徳姫は不思議な縁(えにし)を感じた。
 邦昭の又(また)従弟(いとこ)でもあり、また、あの男が誰よりも信頼を寄せる男佐治郎。本来なら、けして交わることない二人の縁の糸があの日、交わった。
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