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執事はお嫌いですか?
第6章 主人と執事は翻弄し、進む
                  4.5


スースーと可愛い寝息をたてるのは、横でぐっすりと眠る大好きな主人だ。

「んん・・・」

苦しくなったのか、潜っていた布団から、ふは~と顔を出すと、へらっと頬を緩ましてそのまま再び夢の中へ。

わかりやすい・・・可愛い。

よだれ垂れているし、真っ白な頬が薄ら染まっている。

「手がかかる人だなあ――」

ぺろっと口元を舐め、こっそり舌も入れてみる。

「んっ・・・うっんぁ・・・」

寝ててもエロい・・・。

調子に乗ってもっとやってみると、

「んんっ~~~ッ・・・ク、ロぉッ・・・」

名前を呼ばれ、ビクッと固まる。
チラッと見てみると、相変わらずの寝顔はユルユルだったので一先ず一息吐いた。

俺、夢に出ている――?

「ふふっ・・・ちゅー・・・」
「ッ――」

ん~・・・自分で仕掛けておいてすっごく負けた気分・・・。

これがギャップ萌――?
寝てても萌えさせてくるとは予想外だった。

耳や、首筋にもやってみると

「ん~~~くすぐったぁ・・・」

唇だと

「ちゅー・・・」

これで本当に起きていない?
何かセンサーでも付いているんだろうか。

「起きてる時もここまで素直だったら――
なんてワガママかな。

ねえ、斎」

舌を絡め、甘くて濃いキスをする。

「んん~・・・ふぅ・・・はう・・・くるひ・・・い―」

口を離すと、斎はハフハフと息をして寝がえりをうった。

先ほど同じ。
解放されたかのような綻ぶ表情。


「――こっちの方がよっぽど苦しいですよ、ばか主人」






夜は更け、デジタル時計はすでに深夜を示していた。

暖かくなってきたものの、まだ夜と朝は冷える。

俺は肩までしっかりと被せると、愛する人の背中へと埋めるようにして眠りについた。




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