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執事はお嫌いですか?
第6章 主人と執事は翻弄し、進む
絶対我が物顔だな――。

ここまでくると抵抗もめんどくさくなって、小さく溜息をつくと目を瞑った。

やっぱりドキドキしてしまうけど、不思議と心地いい。

のぼせたり、大声出したりして心拍数が上がったのか?
脈が速いと早死にすると聞いたことがある・・・。


・・・・・。

ぜ、絶対に嫌だ・・・。

何とか落ち着いて生活していこう・・・。
クロが居る限り困難を極めそう・・・だが――。











「――斎寝た・・・?」
「・・・・」





――すっかり俺は夢の中で。

この時見た夢もあまり覚えてはいなかったけど、何故か夢の中の小さい俺は笑顔だった。
周りを見渡すと、たくさん居た色違いのリボンのクマたちも食べ物たちも綺麗さっぱり無くなっていた。



でも、代わりに遠くの方からこっちに振り返り、俺へ幸せそうに微笑むクロが居た。

「斎~」と呼ぶ声がする。

小さい歩幅で行ってみると、抱き上げられ、「好き」の一言に優しいキス。

俺は夢の中でも振り回されるのだろうか・・・?
不安だな・・・。

小さい俺はクロの頬を軽く引っ張って、「はぁ~」と溜息をつく。


心なしか嬉しそうな笑顔だった。かもしれない。
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