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執事はお嫌いですか?
第3章 主人と執事の難問距離問題
「あ、斎、いた!やっと見つけたー!
探したんだよ~ッ!」
「おわっ」


先輩たちと楽しく過ごしたお昼で殻になった弁当箱を持って教室に戻ると、後ろから勢いよく抱きつかれ、よろけた。

後ろを見ると、同級生の東 春(アズマ ハル)がいた。
父親同士で何かと仲がよく、小さい頃からの知り合いだ。

春はまったく悪気も無いようで純粋な笑顔を向けてくると、くしゃくしゃと俺の髪を乱す。

「うぅ・・・なんだよ春・・・・」
「斎、また誘い断ったんでしょ・・・一緒に食べればいいのに」

そう言う春は、明るいし、人付き合いが上手いから群れるのが苦手ではなくて・・・
俺からすればむさ苦しいし、愛想を振りまくのもできない。

「・・・・別にいいだろ」
「もったいないぃぃ」
「うるさい」

俺が席に着くと、春が近くにあった椅子を持ってきて俺と向かい合わせになって着席すると自然に話し出す。

俺の机に広げるのはお菓子。

「斎、今度どっか一緒に行こう。お花見とか
あ、そうだ。久しぶりに斎の家に泊りたい」
「嫌だ。そもそも毎日会ってるだろ・・・・

てか、わざわざ特別に時間作って俺の家に来てどうするんだよ・・・・」
「いいじゃんか、別に
最近全然遊べてないし・・・・行きたい」
「嫌だ」
「斎の家に泊まりたいー」
「嫌だ!」

キッパリ言った瞬間、春はワザとらしく、むっすー。と可愛らしい童顔で拗ねたようにしてそっぽを向いた。

やはり親同士の仲もあったから互いの家には頻繁に泊まっていたけども・・・・
この歳だし・・・・

俺としては照れくさいというか何というか―――

春は「何さ・・・斎のくせに・・・」とポッキーを咥えて呟く。

そんな顔されても困るだけだろが・・・・

同年齢なのに妙に顔立ちが色気付いて見えてしまう春は、色気づいてきた中学の頃からこういう技使って俺を納得させてくるのが最近のオチ。



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