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執事はお嫌いですか?
第3章 主人と執事の難問距離問題
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休日。
俺は、壊れたクロのメガネを二人で買いに、近くの商店街通りに来ていた。
最近聞いた女子生徒の話が怖くて、焦って来たことが第一の理由だ。

クロは私服で、横の髪をピンで留めた、いつもとは違う髪形。
服はシンプルで、来た本人に馴染むほど似合っており、妙にドキドキしてしまう自分がいた。

それに休日に2人っきりで出かける。というのは、いわゆるデートなわけだ・・・

色気駄々漏れで、顔良い奴と並ぶと絶対目立ってるよな・・・と内心呟く。

「斎、どんなメガネがいい?
これとか、どう?」

俺に紺のフレーム付きメガネを見せてくる。

いつもとは違う硬い口調から幸せそうな笑顔で、ほぐれた話し方。
本人はかなり楽しんでいるみたいだ。

そして、顔も体格も凡人である自分と並ぶクロは一層笑顔が輝いて見える。

店員と客めちゃくちゃ見てるぞ・・・

「フレームは、こっちのほうが――」

周りが気になるものの、近くにあったものを手に取る。
クロに似合いそう。と直感で思ったものを選択。

これは俺の弁償だし、お詫びとして、ちゃんと選ばないとな・・・

高い身長に背伸びをして、クロがかけていたものをはずし新しくかける。
さり気なく屈んでくれるクロ。

「どう・・・?」
「いいかも・・・似合ってる?」
「ん、似合ってる」
「ありがと」

ふにゃ。と笑うクロは嬉しそうで。

こんな笑い方するんだ・・・

と以外な一面に、少し心が揺れた・・・











メガネを買った後、町の小さいカフェでお昼にした。
カフェにたどり着く間に、クロがその容姿で俺と手を繋ぐからなのか道行く人に見られ大変だった。

それに逆ナンとかされて・・・

いかにも慣れたナンパを、愛想笑いを浮かべてあしらうクロ。
俺は視界には居ない人みたいで、なぜか一方的に拗ねるばかりだった。

「斎、怒ってる?」
「別に――」
「嘘、怒ってる」

自分でもわかるくらいの不機嫌顔。

好きでこんな顔してるんじゃない・・・

すると、クロは俺の腕を引っ張ると、天候とは間逆の薄暗く細い路地に入っていった。

「く、クロどこ連れてっ・・・」

クロの背中が急に立ち止まり、そのままトンと壁に手をつかれキス―――。

「斎」
「んッ・・・」








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