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執事はお嫌いですか?
第2章 主人の執事は先輩です
1
「斎様・・・斎様・・・」という優しい声が頭の中で響く。
「ん~・・・・」
そんな声で俺はゆっくりと目を開けた。
声の方へと目を向けると、カーテンの隙間からは眩しいくらい光が差し込んでいるのが朧気に見えた。
この時期らしい温かい陽ざしは、一人にしては広すぎる部屋と目の前にいる男を明るく照らしている。
定まらない中で見つめれば、男はてきぱきと部屋のカーテンを一纏めにし、タッセルで留めていく。
外を見つめ瞬きをする姿は、長い睫毛が光を浴び、星屑を散らしているようだった。
「あ、起きられましたか・・・?」
「ん・・・。
もう朝か・・・」
俺はむくりと起き上がり、目を擦った。
何気なく置いた右手にベッドに埋もれていた小説本が当たる。
少しばかり寝不足な身体には、ひときわ強い日差しが辛い。
「さようでございます。
昨日は本を読みながら寝てしまっていた様ですね。
ここ数日、お疲れでは・・・?」
「・・・そうみたいだな・・・」
まだ意識があやふやのまま聞き流す。
そっか・・・いつの間にか寝ちゃったのか・・・。
把握していたであろう物語もぷっつりと切れてしまっているし、どこまで読んでいたかもあやふやで覚えていない・・・。
でもここ最近色々ありすぎて、入学前から疲労困憊なのである――。
俺、九条斎はビジネス関係のトップを誇るらしい九条家の一人息子。
両親二人三脚で事業を一から立ち上げ、今では業界で知らない人はいないほどの大企業になった。
俺自身、家のことはあまり興味が無いし、特別扱いもされたくないと思っているが――。
その両親が海外に行き、息子が屋敷に一人いるのは心配ということで、俺のところに来たのは、変態執事――榊クロ。
「斎様・・・斎様・・・」という優しい声が頭の中で響く。
「ん~・・・・」
そんな声で俺はゆっくりと目を開けた。
声の方へと目を向けると、カーテンの隙間からは眩しいくらい光が差し込んでいるのが朧気に見えた。
この時期らしい温かい陽ざしは、一人にしては広すぎる部屋と目の前にいる男を明るく照らしている。
定まらない中で見つめれば、男はてきぱきと部屋のカーテンを一纏めにし、タッセルで留めていく。
外を見つめ瞬きをする姿は、長い睫毛が光を浴び、星屑を散らしているようだった。
「あ、起きられましたか・・・?」
「ん・・・。
もう朝か・・・」
俺はむくりと起き上がり、目を擦った。
何気なく置いた右手にベッドに埋もれていた小説本が当たる。
少しばかり寝不足な身体には、ひときわ強い日差しが辛い。
「さようでございます。
昨日は本を読みながら寝てしまっていた様ですね。
ここ数日、お疲れでは・・・?」
「・・・そうみたいだな・・・」
まだ意識があやふやのまま聞き流す。
そっか・・・いつの間にか寝ちゃったのか・・・。
把握していたであろう物語もぷっつりと切れてしまっているし、どこまで読んでいたかもあやふやで覚えていない・・・。
でもここ最近色々ありすぎて、入学前から疲労困憊なのである――。
俺、九条斎はビジネス関係のトップを誇るらしい九条家の一人息子。
両親二人三脚で事業を一から立ち上げ、今では業界で知らない人はいないほどの大企業になった。
俺自身、家のことはあまり興味が無いし、特別扱いもされたくないと思っているが――。
その両親が海外に行き、息子が屋敷に一人いるのは心配ということで、俺のところに来たのは、変態執事――榊クロ。