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第11章 正真正銘の愛。

雅人と別れた。
別れた事を、辛く、実感をさせられるのは、
届かなくなった雅人からのメール。

でも、
待たなくてもいいという、
安心感もあった。

私は携帯を余り見る事もなくなった。

それにシングルマザーの私は、
必死に働かなければ、
翔太と二人で生きてゆけなかった。


コールセンターで働き、
パートでありながらも、
その部署のチーフに抜擢されて、
正社員になる話も出た。

この上ないチャンスに恵まれながら、
そんな喜びを話す相手も居ない。
翔太だけが支えだった。

毎日が仕事と家事、子育てで終わる。


不倫を辞めて、
不倫をもうしないと誓った私には、
当たり前の日々であり、
今まで間違った道を歩いた私が、
唯一、翔太に償える日々なのかもしれない。


タバコと酒に溺れた。
食欲が落ちた。
翔太の為に料理はするけど、
何を食べても感動もなく、
雅人との最期の日を思い出しては、
人知れず泣いた。

翔太が居ない時は、
声を出して泣いた。

未練がましいが、
雅人から届いたメールを
読み返す。

手紙も読み返した。

ラッピングされたままのシャンパンを見ては泣く。

そんな日々が続いた。

もう、雅人以上に好きになれる人なんて、
居ないんじゃないか？って‥‥‥‥


女としての孤独に泣いた。