パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 正真正銘の愛。

ビターチョコレートを食べながら、
私は雅人を思い出す。

あなたと別れたのは、やはり必然でした。

圭介に巡り会う未来があるから、私達は別れた。

翔太や結愛を育てる使命があるから、別れたのね。

今なら、そう思えるの。
あなたと別れて良かったと。

梓と呼ばれる当たり前の事。
帰る場所のある安心。
愛する家族と過ごす幸せな時間。

私が一番欲しかったものを手に入れた。

不倫をした過去。
私はお墓までこの秘密を持ってゆくだろう？

後悔はしてない。
永遠に秘密だけど、
雅人に出会えた。

雅人を愛した日々を心の片隅の引き出しに仕舞う。

私は雅人の幸せは願わない。
綺麗事も言わない。

愛していたから。
私の前から去った雅人の幸せを願わない。

その代わり、
私の愛した男となり心に刻む。




そして時々、ビターチョコレートを食べる時に引き出しを開ける。


圭介を愛してる。

もう二度と不倫なんてしない。



私は心に堅く誓う。