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第11章 正真正銘の愛。

私も狡い女だ。

どす黒い過去を持ちながらも、
それを秘密にして幸せを掴んだ。

私は一人じゃ生きれない。
弱いから。

愛する人にすがりたい。

それに愛したい女なんだ。

だからこの秘密は死ぬまで隠し通す。

幸せを壊さないように‥‥‥‥
私自身の戒めとして。


「退院おめでとう」
生まれた結愛を抱いて我が家に帰る。

圭介、尊、力、翔太、結愛の家族に囲まれて、
温かい気持ちになる。

パーンと宙を舞うシャンパンの栓。

幸せになった時、
開けて欲しいと、雅人から貰ったシャンパンを開けた。


「ありがとう」


雅人、
私は今、幸せだよ。
あなたには報告出来ないけどね‥‥‥



不倫をする為に、結婚なんてしない。


愛が欲しかった。
愛されたかった。
愛したかった。


だから、
私はこの場所を見つけた。



グラスに注がれたピンク色のシャンパン。
その香りに包まれ、あの日が蘇る。


でも、もう戻らない。


深い愛で結ばれた場所が私にはあるから。




ＦＩＮ