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MonsterFucker(ライト版)
第1章 読みきり(上)
二十人ばかりの議員が集まり、南の王国スカード産のビールを楽しんでいる。

「スカード産のビールは独特の苦味にある」

禿げた老人が、会議のことなど忘れ、手にした酒杯を一気に飲み干した。
スカード産のビールは有名で、この村では馬車を数週間かけて大量に買い込んでくるのだ。
以前は、鏡の森を越えた西のハイランドや東にある聖王国ヴァリスの首都ロイドまで買出しに行っていたのだが「不味いビールでは疲れが取れない」と言ってスカードまで足を伸ばすことになった。

村人たちは働き者が多く、各家が金銭的に潤っている。
そして、鏡の森でワケあって暮らせないエルフやハーフエルフもこのマイケルザクソンに移住してくるのだ。

湖に近い草原ということもあって、草原の妖精グラスランナー(ホビット)も多く暮らしている。

場所が悪いため、村の娘たちは、遠出をするのが難しい。

北は砂漠。
西のハイランドは鏡の森が邪魔で、南のスカード王国のあるモス公国(連合国家)には山岳地帯が行く手を遮る。

残る東のヴァリスに遊びに行くことになるのだが、移動費や地元の猟師を従者(ボディーガード兼務)として雇わなければいけないため、それ相応の金がかかるのだ。

そして衝動買い、まとめ買いである。

そのため、村娘たちのほとんどが人間、エルフ、グラスランナー問わずに客が殺到する「最も浅い迷宮」でがむしゃらに働いて金を貯めることになるのだ。

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