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第25章 休暇

手持ちの情報は、咬龍団が国家反逆を企てていること、拠点は不明ながら王都近辺にいると考えられること、頭領の名はシバ・スニヤという若者であること、頭領のシバが敬意を払う後ろ盾の男がいること、その男が伝達役のニナを介して警備局の情報を流していたことくらいだ。
情報量は少ないが、動かないことには何も始まらない。
リノも通常業務である警邏やガイの補佐を務めながら、咬龍団に関する情報の洗い出しをしていた。
正直、忙しさは増しているが、それ自体に文句はない。
だが、体が少々きついと感じるほどの忙しさのせいで、リノはハクトと話す機会を逸し続けていた。
このまま、何もなかったかのように時が過ぎてしまうのだろうか。
うやむやになってしまうのは、心にしこりが残るが、それならそれで良いのかもしれない。
リノは忙しさの中でそんなふうに考え始めていた。