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第25章 休暇

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「キオ、明日は休暇を取って下さい」
ガイが唐突にそんなことを言い出したのは、その日の仕事が一段落した頃だった。
「休暇、ですか」
「はい。監理官から、明日は君を休ませるようにと」
「監理官から？…私だけ、ですか？」
リノが訊ねると、ガイが「ええ」と頷いた。
「俺ももう少し落ち着いたら監理官が休暇をくれる予定になってます。ナミキ警邏長が抜けてしまった分、これまで忙しかったけれど、そろそろ息抜きをしてはどうかとの監理官の心配りです」
ハクトの心配り。
遠慮をするのはかえって失礼だろう。
疲労が溜まっていたこともあり、リノはありがたく休暇をもらうことにした。
「…では、明日は休ませていただきますね」
リノが小さく頭を下げると、ガイは緩く微笑んだ。
「建国祭があるせいか、ここ最近の王都は活気づいていますからね。良い気晴らしになるでしょう」