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第28章 深夜の会談

国の治安をよく知るために、ハクトは身分を隠して警備局に入った。
いくら優秀であったとしても、警邏長になるまで三年かかると言われている。監理官に至っては、前任監理官の推薦と監理官試験の合格が条件となるため、警邏長になるより難度は高く、その地位に就くためには五年は必要だと言われていた。
だが、ハクトは持ち前の聡明さと鍛え上げられた武才で周囲を圧倒的に引き離し、入局してからたった2年で監理官にまで上り詰めた。
文武に優れた麗しき王子。
邸の上位の使用人達は、ハクトのことを密かにそう呼んでいた。
リノがそこまで話すと、クガは満足そうに笑った。