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第29章 祭事行進

気を張り続けるリノの耳に、遠くの方から優雅な音が届いた。
祭事行進を彩るために、楽団が奏でている音楽だ。
もうすぐ、この大通りを国王が通る。
まだどこも騒ぎらしい騒ぎは起きていない。
一体、どこで襲撃をするつもりなのか。
ナダがここにいるなら、この大通りが襲撃場所になるのか。
いい加減、胃の腑が痛くなってきたその時、何かが爆ぜるような音がした。
「！」
「なんだ!?」
「向こうから聞こえたぞ！」
「爆竹か？」
「こんな人の混み合うところで!?」
人々がざわめき、不安そうな声があちこちから聞こえる。
人の流れは乱れ、無秩序になる。