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みんな同じ空の下
第30章 静かなる大捕物
「シバ様…」
ナダが不安そうな情けない声でシバを呼ぶ。
シバは励ますように力強くナダの肩を掴んだ。
「大丈夫だ。今はこの場を乗り切ろう」
シバの言葉に、咬龍団の面々も頷いた。
もう見つかるのも時間の問題であることは、誰もが解っていた。だがそれでも、シバの言葉には希望があった。
そんな咬龍団の様子を、後ろ盾の男は何の感情も持たない目で見ていた。
足音が徐々に近付いて、水車小屋の前でぴたりと止むと、シバの額にじわりと汗が滲み出た。
いよいよか。
おそらくもう逃げられない。
シバが覚悟を決めた瞬間を待ち構えたかのように、水車小屋の扉が勢いよく開いた。
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