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第30章 静かなる大捕物

咬龍団の後ろ盾となっている男だ。
「聞いたよ。祭事行進での襲撃は失敗に終わったらしいね」
男は愉快そうに笑っていた。
「次の策は考えているのかい？」
「今、それを話している」
そう言った直後、シバの目に緊張が走った。
複数の人間が乱暴に走る足音に混じって、怒声に近い声が聞こえる。
「こっちの方向に逃げたはずだっ！」
「隈無く捜せ！」
内容から、誰かを捜しているのは明白だ。
声の主はおそらく警備局の人間。そして、彼らが捜しているのは咬龍団だろう。
（ばれたか…。まずいことになった…）
だが、不思議とシバは落ち着いていた。