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第35章 女に戻った少女の決意

刑場を離れたリノは、邸に戻る道を歩きながら、これから自分がするべきことを考えていた。


女に戻った自分がすべきことを。


リノは自分の意思で女に戻った。
ハクトを守る強さを得るために男の形（なり）をして、男のように振る舞い、鍛練を積んでいたはずなのに、今の自分はなんと弱く情けない姿をしているのか。
だが、シバの最期は警備局のキオ・メイとしてではなく、彼を愛した女のリノ・メイとして見届けたかった。
人が聞いたら馬鹿馬鹿しいと笑うかもしれないが、リノは真剣だった。
（――女を捨てるなどと豪語しておいて…。自分のことながら呆れてしまう）
リノは自嘲気味に笑った。