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喘ぐなら、彼の腕の中で
第14章 爆発


自分の気持ちを抑える事が出来たのは、相手が兄貴だったからとも言える。

沙月が兄貴に惚れたように、兄貴も沙月の事が好きだと俺は分かっていた。

本当は陽気でよく喋る兄貴が、沙月の前だけはおっとりした男を演じていたからだ。


歳の離れた1番上のカズ兄と違って、3つしか違わない兄貴と俺は喧嘩してばかりだったけど

俺は兄貴のことを心から慕っていたから
好きな2人が一緒になるなら、俺の想いも報われると子供ながらに思っていた。


だから

あの日、10歳の沙月が海の前で号泣している姿を見た時は

今まで抑えていた、色んな感情が一気に爆発した。




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