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喘ぐなら、彼の腕の中で
第14章 爆発
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兄貴の頬に、1粒の滴が落ちる。
『………!』
……は?
なんだそれ。
何で俺まで……
『……莉央、ごめん』
倒れたまま俺の顔を見た兄貴が
今まで見たことのない青ざめた表情で、俺を見上げる。
『本当にごめん。俺が悪かっ…』
『謝ってんじゃねーよ!』
もう頭の中がグチャグチャで、何を言ってるのか自分でも分からなくなってきた。
兄貴が沙月をふった理由も、今俺に謝っている理由にも
何もかもに腹が立つ。
……だめだ。
口にするな。
俺は本音を言える立場じゃない。
『……泣かさないでくれよ。
頼むから』
『……っ』
『もう、見たくないんだ。
俺にとっては母親も母さんも、沙月も………』
………!
自分の言葉で、ビクッと体が硬直する。
やばい……あいつは今1人だ……!
『莉央!?』
兄貴の言葉を背中に受けながら
涙を拭って、また海へ向かって走り出した。
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