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喘ぐなら、彼の腕の中で
第14章 爆発
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沙月の涙と自分の涙で、軽くパニックになりながらも
恐怖に震えながら、全力で沙月の元へと戻った。
………伝えるんだ。
兄貴は馬鹿だから、俺に遠慮して沙月の告白を断った。
本当はお前の事が好きなんだよ。
お前達は両想いなんだ。
だから泣くな。
苦しむ必要もない。
素直になって、堂々と想いを開放していいんだ。
……俺はそれが出来ないから
せめて俺が沙月にしてやれることは………
『沙月!』
砂浜の上に足を抱えて座り、うずくまったままの沙月。
その姿があることに少しホッとした俺は、急いで隣りに並んでしゃがみこんだ。
『早く立て!
今すぐうちに来い!』
『……どうして?』
ゆっくりと上げたその顔は涙でグシャグシャで
沙月の想いが伝わってくるかのように、俺の心臓もズキズキと音を立てる。
『兄貴が待ってる』
『そんなわけないでしょ。
だって、ふられたもん』
『違う、兄貴は…』
『もういいの。
翔ちゃんのことは忘れる』
『はぁ!?』
『だって、分かったもん』
『何が!』
イライラして、思わず沙月の右手首を掴む。
すると、沙月の目に再び涙が溢れた。
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