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喘ぐなら、彼の腕の中で
第18章 超ズルい


.。.:* side 沙月 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*


「翔太!
何戻ろうとしてるのよ!」

「離せよ!
あのバカ、一発殴らないと気がすまねぇ」

「も~やめなさいよ。
せっかく隠れて見てたのにバレちゃうでしょ!」

「うるせぇババア!
大体俺の許可無くアルバムなんて見せるんじゃねーよ!」

「なんですって!
ババアって言うなこのバカ息子!!」



「「…………」」


ギャーギャー言い合う声が聞こえて、莉央と同時に後ろへ振り返ると
おばさんが翔ちゃんの首ねっこを掴んで、坂道を上っていくところだった。

……頭も視界もぼんやりしているけど

街灯の明かりがここまで届いて、莉央のピンクのTシャツが私の涙で濡れている。


「……見られちゃってたんだね」


体を離すと、彼は大きく溜息をついた。


「最悪。当分いじられるな」


私の手を取って砂浜から立ち上がると
莉央はベルトに付けたキーチェーンから、車の鍵を外した。



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