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喘ぐなら、彼の腕の中で
第5章 忘れさせて


─── 9F建てのオフィスビル中で
そのフロアだけ、ほんの僅かだけど明かりが漏れていた。


この時間にもなれば、外から侵入できないように、当然ビルの入口は施錠されているけど
既存店の改装や新店準備で夜勤もある私は、会社のセキュリティカードを個人で持っている。

営業一課のエースで
ナンバーワンの成績を誇る莉央も、カードを所持する1人だ。


「………」


フロア入口の扉を開ける。

天井の蛍光灯は全て消えているけど、営業部の一角だけデスクライトが光っていて
暗闇の中、その場所までゆっくりと近付いて行った。


「……あれ?」


パソコンの画面がついたままのデスクに、莉央がいない。

周りを見渡そうとした、その時


「意外と早かったな」
「………!!」


後ろから右腕が伸びてきて、ガシッと首をロックされた。
足音もなく急に降ってきた低い声に、心臓が飛び出そうになる。


「莉央…」

「10分前に最後の1人が帰ったばかりだぜ。
鉢合わせしなくて良かったな」


肩まで下がったその手が、後ろ向きのまま私を抱きしめる。

……莉央の表情が見えない。


「……暗いんだから、びっくりさせないでよ。
どこにいたの?」

「複合機の横。
お前が入ってきたのが見えたから、内側から鍵かけてきた」


腕の力が少し緩んだから、振り返ると

……デスクライトの明かりで、莉央の綺麗な顔が浮かびあがった。


「終電まであと30分しかねぇんだ。
余計な会話はやめようぜ」

「……っ」

「……いや、充分か。
そこまで ” 整ってる ” なら、上出来だよ」




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