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わざとじゃないの
第14章 現実
「ん?帰る?」

「いや、牛丼。行こうよ」

「は。今?」

「今。だって腹減ってんだろ?」

「そうだけど、私ら臭いよ、きっと」


直樹は自分のtシャツを嗅ぐ


「いや、待てよ。理央さっき温泉入ったのに臭いわけねーじゃん」

「あー・・・」


私は目をそらす


「まさかお前・・・」

「うん・・・」


直樹は下を向いて苦笑する


「着替えくらい持ってこいよ!」

「だって!温泉に入る予定なかったもん!」

「だからって・・・よく着れたな。きたねー。汗だくだったろうに」

「うるさいなー。ファブリーズかけたよ!扇風機の上に干しておいたから風圧で臭いも飛んだし!」

「そういう問題かよ」



結構大笑いしている直樹を見て私も笑う

あー、こういう直樹との会話が私は大好きだ。


別れたことを少し悔いる


私が直樹を今でも思っていようが、

いまいが、直樹の心は私の方をもう向いてないんだ

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