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わざとじゃないの
第6章 温泉
私は勢いよくソファーから立ち上がった

「何言ってるんですか!

妹さんを待っているんでしょ?

なんだったら探して来ましょうか?」


私が女風呂の方へ進もうとした時、

漫画のようにパッと右手首を掴まれた



「妹なんていないよ。

君に話しかけるきっかけが欲しくて言った嘘。

急にこんなこと言われて戸惑ってる?

それは仕方がないよ。

でも試してみてもよくねーか?」



私は頭がパンク寸前だった。


だってだって

こんなイケメンに話しかけられただけではなく、

ベッドインに誘われたのだ


なんなの。

何が起こってるの?



白陵のイケメンは私の手を離した


「名前は?」

「はい?」

「名前だよ。俺は長瀬流夜(りゅうや)」

「あ・・・えと、船越理央、です」

「漢字は?」

「船が越えるで船越、理科の理に中央の央の理央です」

「わかった。じゃあ、俺は行くよ。船越の携帯、鳴ってるみたいだし」

「へ?」


私はその時初めて携帯がバイブをしながら微かに鳴っていることに気がついた

ズボンのポケットから取り出してみると、

相手は博士だ


「じゃ」

そう言って立ち去ろうとする長瀬・・・くん。先輩。


「あの!長瀬・・・先輩」

「ん?」


どうしよう何となく引く止めたけど、

何て言えばいいの?


私を抱いてください?

快感を味わいたいです?

そもそも私は抱いて欲しいのか?
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