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大蛇
第9章 疑惑
それからのルロイは、かつてないほど毎日が充実していると感じるようになった。
悩みや苦しみから解放され、仕事中にも考え込むことがなくなった。
「なんか最近調子いいな、お前」
昼休み、食堂でジャンがルロイに声をかけた。
「やっぱり結婚したお蔭か?羨ましいぞ」
「はは、まあな・・・」
ルロイは苦笑するが、快調であることには変わりがない。
彼の妻・アンヌは、あれから二週間後に帰国した。
彼女は思いの外晴れやかな顔をして、彼の元へ戻ってきた。
知り合いの女性と楽しく過ごせたのだろう、とルロイは考えていただけであったが、実はアンヌもまたルロイと同様、タイムで官能の悦びを堪能していたのだ。
そのため、アンヌもぐっと女性らしさが増し、以前にはなかったような色気が出てきた。
ルロイはオルガ以外の女性が目に入らなかったので、アンヌの微妙な変化には気が付かなかったのだが、ジャンはすぐにそれを見破った。
「おい、昨日アンヌさんに市場で会ったよ。何か前より色っぽくなったな」
「そうか?」
「お前が女にしたんだろう?この野郎!」
ジャンの言葉に、ルロイは黙ってしまう。
アンヌを抱いたのはあの夜だけであるし、あの一回だけで「女になった」といえるかどうか甚だ疑問だ。
もしかしたら・・・・・。
ルロイは自分の考えにはっと驚いた。
アンヌが浮気をしているのかもしれない・・・
最近やけに彼女の機嫌が良いのも、そのためなのだろうか。
だが、妻の浮気疑惑はかえってルロイの気持ちを楽にした。
相手がどんな男かは知らないが、彼女も彼女なりに楽しめばいい。
アンヌを悦ばせることのない自分にルロイは罪悪感を抱いていたのだが、
ジャンの言葉でその気持ちがすっかり晴れたようだった。
悩みや苦しみから解放され、仕事中にも考え込むことがなくなった。
「なんか最近調子いいな、お前」
昼休み、食堂でジャンがルロイに声をかけた。
「やっぱり結婚したお蔭か?羨ましいぞ」
「はは、まあな・・・」
ルロイは苦笑するが、快調であることには変わりがない。
彼の妻・アンヌは、あれから二週間後に帰国した。
彼女は思いの外晴れやかな顔をして、彼の元へ戻ってきた。
知り合いの女性と楽しく過ごせたのだろう、とルロイは考えていただけであったが、実はアンヌもまたルロイと同様、タイムで官能の悦びを堪能していたのだ。
そのため、アンヌもぐっと女性らしさが増し、以前にはなかったような色気が出てきた。
ルロイはオルガ以外の女性が目に入らなかったので、アンヌの微妙な変化には気が付かなかったのだが、ジャンはすぐにそれを見破った。
「おい、昨日アンヌさんに市場で会ったよ。何か前より色っぽくなったな」
「そうか?」
「お前が女にしたんだろう?この野郎!」
ジャンの言葉に、ルロイは黙ってしまう。
アンヌを抱いたのはあの夜だけであるし、あの一回だけで「女になった」といえるかどうか甚だ疑問だ。
もしかしたら・・・・・。
ルロイは自分の考えにはっと驚いた。
アンヌが浮気をしているのかもしれない・・・
最近やけに彼女の機嫌が良いのも、そのためなのだろうか。
だが、妻の浮気疑惑はかえってルロイの気持ちを楽にした。
相手がどんな男かは知らないが、彼女も彼女なりに楽しめばいい。
アンヌを悦ばせることのない自分にルロイは罪悪感を抱いていたのだが、
ジャンの言葉でその気持ちがすっかり晴れたようだった。