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大蛇
第12章 凍える大地
その翌日、ルロイは大佐の部屋に呼び出された。

ルロイはなぜか胸がざわつくのを感じた。

きっと、あまり良い知らせではないだろう。

彼の直観がそう告げているのだ。



ルロイは部屋をノックした。

「入りたまえ」

大佐の声に、心臓がドキドキする。

「失礼します」

ルロイは大佐の顔がまともに見られなかったが、

目を逸らすのも不自然なので、あえて上官の目に視線を注いだ。

大佐はルロイの心の中が、手に取るようにわかった。

この男、並み大抵な精神力ではないな。

この状況で、俺の目をまともに見ることができるとは。

「君は今日から、イオリへ行ってもらう」

「え?」

ルロイは動揺した。イオリは一年中氷に閉ざされた極寒の地だ。

ここに飛ばされることは、軍内部ではすなわち左遷を意味していた。
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