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大蛇
第12章 凍える大地
「ルロイ・ソガさん、お電話です」
ルロイの胸はぎゅっとなった。
電話?・・・もしかするとオルガか・・・?
寮の管理人の中年女性に電話室を案内され、ルロイは恐る恐る受話器を取った。
「もしもし」
ルロイの声は震えていた。
「もしもし、よおルロイ!」
元気の良いジャンの声に、ルロイはひどく失望した。
「何だお前か」
「何だとは何だよ、可愛子ちゃんじゃなくて悪かったな。
昨日お前のデスクの物が急になくなったから、びっくりしたんだよ。
大佐に聞いてみると、お前イオリに送られたっていうじゃん、一体何があったんだよ?」
ルロイは溜息をついた。
「俺も知らねえよ」
「だよな、おかしいよな。
お前真面目だし大佐のお気に入りだったじゃん。
むしろイオリ行きは俺だよなあ、俺って要領よくサボる天才じゃん。
世の中ってわかんねえよな」
ジャンのお喋りは、ルロイにとってたまらなく疎ましかった。
「俺が大佐に掛け合ってみようか?何だったら」
「いや、やめておけ。上官に楯突くと良いことはないぞ」
「そうか、でも納得いかねえな。
俺がお前の代わりなんて務まる訳ないよなあ。
俺さ、大佐に『お前がこれから俺の右腕だ』なんて言われちまってさ、超プレッシャー」
ルロイははっとした。
大佐はルロイを切り捨て、ジャンを後釜に据えたのだ。
ジャンの言葉に悪意はない。
あいつは正直なだけだ。
ルロイはもう、彼とは永遠に昔のようには戻れないことを感じた。
ジャンは大佐側の人間になるのだ。
「話はそれだけか。俺は疲れているんだ、もう切るぞ。
それから、二度と掛けてくるな」
「ちょっと待てよ、そんなこと言うな・・・」
ジャンの言葉を待たず、ルロイは電話を切った。
ルロイの胸はぎゅっとなった。
電話?・・・もしかするとオルガか・・・?
寮の管理人の中年女性に電話室を案内され、ルロイは恐る恐る受話器を取った。
「もしもし」
ルロイの声は震えていた。
「もしもし、よおルロイ!」
元気の良いジャンの声に、ルロイはひどく失望した。
「何だお前か」
「何だとは何だよ、可愛子ちゃんじゃなくて悪かったな。
昨日お前のデスクの物が急になくなったから、びっくりしたんだよ。
大佐に聞いてみると、お前イオリに送られたっていうじゃん、一体何があったんだよ?」
ルロイは溜息をついた。
「俺も知らねえよ」
「だよな、おかしいよな。
お前真面目だし大佐のお気に入りだったじゃん。
むしろイオリ行きは俺だよなあ、俺って要領よくサボる天才じゃん。
世の中ってわかんねえよな」
ジャンのお喋りは、ルロイにとってたまらなく疎ましかった。
「俺が大佐に掛け合ってみようか?何だったら」
「いや、やめておけ。上官に楯突くと良いことはないぞ」
「そうか、でも納得いかねえな。
俺がお前の代わりなんて務まる訳ないよなあ。
俺さ、大佐に『お前がこれから俺の右腕だ』なんて言われちまってさ、超プレッシャー」
ルロイははっとした。
大佐はルロイを切り捨て、ジャンを後釜に据えたのだ。
ジャンの言葉に悪意はない。
あいつは正直なだけだ。
ルロイはもう、彼とは永遠に昔のようには戻れないことを感じた。
ジャンは大佐側の人間になるのだ。
「話はそれだけか。俺は疲れているんだ、もう切るぞ。
それから、二度と掛けてくるな」
「ちょっと待てよ、そんなこと言うな・・・」
ジャンの言葉を待たず、ルロイは電話を切った。