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大蛇
第12章 凍える大地
翌朝、ルロイは寒さで目を覚ました。

窓ガラスは曇り、吐く息も白かった。

ルロイは上着を羽織って、息で手のひらを温めた。

列車は汽笛を上げ、雪景色の中を進んでいく。

しばらくすると、列車はイオリに到着した。

ルロイが駅に降り立つと、既に軍の人間がルロイを待ち構えていた。

「ルロイ・ソガ中尉ですね?お待ちしておりました。」

彼はルロイを車に乗せ、軍本部へと向かった。

ルロイはイオリ支部の上官たちに一通り挨拶を済ませた後、新しい住居を案内してもらった。

そこは軍の寮として使われている施設だが、お世辞にも立派とは言い難かった。

階段は歩くと軋み、部屋には隙間風が入り込んだ。

ルロイは少し惨めな気持ちになったが、修行時代を思えばこの寮だって豪邸のようなものだ、と思った。

「長旅でお疲れでしょうから、今日はもうお休みになって下さい。任務は明日からです」

案内人の兵士はそういって立ち去った。

ルロイはストーブの埃を払って火を付け、粗末な寝台に横になった。

彼は天井の染みをじっと見つめ、ぼんやり考えこんだ。

すると、突然ノックの音が聞こえた。
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