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甘く、深く、繋がって
第15章 守りたい
イ、ヤ!

「んっ!んん……」
必死になって右手を動かし、左手で黒田さんの右腕を叩いた。
ふっと笑って黒田さんが頭を起こす。自由になったのは唇だけ。頭と手の拘束はそのままで
「可愛い」
クスリと笑って目じりにキスされる。
「行こう、遅刻するよ?」
「イ、ヤ」
「うん、でもオレら席隣だよ?休む?」
そう、だった。
私の机は営業と隣り合う、技術の島の末席にある。
「……」
「はい、行くよ」
黒田さんがグイッと右手を引いて歩きだす。
踏み止まろうにも力の差は歴然で、そのまま会社のビルまで手を繋いだまま連れていかれてしまった。
悪い事は続くもの。セキュリティゲートを抜け、引きずり込まれたエレベーターで二人きり。すぐさま角に追い込まれて、唇が重なる。
「やめっ……んん!」
強引に欲を呼び起こす深いキス。執拗に追われて舌が絡んだ。イヤなのに、かつての記憶が身体をゾクリと震わせる。
「ん……ふっ……」

ヤ、だ……助けて……

ガリッと噛み付いてようやく解放された。
黒田さんがジッと私を見下ろし
「前ほど勢いないと思った」
口角を引き上げる。顎を掴む右手の親指に濡れた唇をスイとなぞられた。
「感じてんじゃん。やらしーね、真純ちゃん」
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