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甘く、深く、繋がって
第15章 守りたい
黒田さんの一言に身体が固まった。
「ひ、卑怯です」
「何とでも言って」
睨んだ先で黒田さんが人好きのする笑顔を繕う。

こ、怖い……

上体を起こし、心配そうに眉をひそめ
「大丈夫?」
端から見ると私を案じて付き添っているように見えてるだろう。でも、実際は...
左手は私の首筋を撫で、右手は膝から上へ這い上がる。
「止めて下さい!」
肩を竦めて小声で諫めた。両手で黒田さんの手を払おうとしてもびくともしない。
腿の内側を伝う指に身体の熱がじわりと上がる。

イヤッ……

脚をばたつかせ、必死になって手を押さえた。
「もしかして、感じてる?」
囁き落とされた言葉。
「なっ!」
恐怖に怒りと羞恥とが加わって、頭に血が上る。抗議しようとした口を左手に覆われた。
「大丈夫ですか?」
偽りの心配。私を伺う振りをして顔を近付けてくる。
「すげーエロい顔してんよ?誘ってんの?」

違う!

ソファーの背もたれに背中を合わせ、思い切り黒田さんを蹴り付けた。
「ぐっ!」
低く呻いて尻餅をつく。掴まれそうになった足を急いで引き寄せて

逃げるなら今しかない

身体を起こし、萎縮して力の入らない脚で必死に立ち上がった。
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