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甘く、深く、繋がって
第5章 燻るモノ
そこは多分バックヤード。小さな部屋に起動されたパソコンと机、椅子。棚には本やファイルとおそらくスタッフの荷物が段を分けて並んでる。
カチッと鍵を掛ける音がした。振り返ろうとして斎藤さんに抱き締められる。
「ウニ、気に入った?」
耳元で聞かれて身体が震えた。
「ぁ、は、はい。美味しかった、です」
「良かった。真純が食べてくれるって思ったら作るの楽しかった」
サラリと言われて照れくさい。
続いて首筋にリップ音を立ててキスをされた。
「ぁ」
小さく漏れた私の声に斎藤さんがフフッと笑う。
「ぁ、あっ、やっ……ん!」
続けて落とされる口付けに勝手に声が出る。
「可愛い」
甘い甘い斎藤さんの声。ゾクゾクする。
腕を解かれて見上げると麗しいシンメトリーが間近で微笑んでくれていた。

あ……

「キス、しても良い?」
首を傾げて確認される。薄茶の瞳に吸い寄せられた私は反射的にコクンと頷いていた。

ふうっと斎藤さんの目が弧を描いた。
大きな右手を私の頬に添えて、親指で目の下をスイッと撫でる。髪を梳くように頬から後ろに手が滑り込んだ。と思ったら唇が重なっていた。
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