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第15章 …15

気づくと、修の舌が口の中に入ってきていた。
抵抗すると
押さえつけられてしまう。

「静かにしないと、マスターにばれるよ？」

修の鶴の一声で、
さくらはおとなしくならざるを得ない。

「やめっ……っ」

樹とは全く違う舌遣いと感触。
丁寧に探るような舌。
押さえつけていた手の力が緩み
するすると首元にふれて、顎を持ち上げた。

「…キスは上手くないな」

唇が離れると、修は無愛想にそうつぶやく。
大きなお世話だ、と言い返そうとした所で
またもや塞がれた。

顎から手が離れ、首筋を撫でつけてくる。
樹に散々愛撫され
その気持ちよさを知る首は
修の指にさえ反応を示した。

「ここ、撫でられるの弱いんだ？」
「ちがっ…っ」

しばらく撫でられ
ゾワゾワとしたその感触に肩をすぼめていると
今度は口づけが首に落とされる。

「あっ、やだっ…っ！ やめっ…ン」

探るようなキス。
弱いところを攻められれば
身体が反応して火照ってくる。

「嫌なのに…そんな顔するんだ？
その顔で、樹を落としたの？」
「ちが…」

否定する間も無く
修の手がスカートの中に入り
さくらの割れ目を撫でた。

「やだっ！」
「…ふーん…。そういうことね」

さっと修の手が戻り
少しばかし表情が緩んだ。

「…濡れやすいんだ、君は」

図星をつかれて
さくらは何も言えない。

「とんだ変態だな。樹がハマったのはそこかな？
それともまだ、他にあるのかな？」
「もう、やめて下さい」

俯くさくらに、ココアを勧める。
釈然としない気持ちでそれを飲んだ。

「少し、観察させてもらうことにするよ。
そしたら、俺のキスでこんなに濡らしちゃったことは黙っててあげる」
「なっ…！」

事実だろ、キスだけであんなぐしょぐしょにして。
修のナイフのような言葉がずぐり、とさくらに刺さった。

「それとも樹に言ってほしい？」
「いじわる…」
「じゃあ、大人しく言うこと聞いてね。
いつも、校内であんなことしてるの？」

それにさくらは押し黙る。

「してる日を教えて。
連絡を必ずするんだ」
「嫌だと言ったら？」
「小春ちゃんにバラそうかな」

ずるい、とさくらは下唇を噛んだ。

「それか、君が一回俺と寝たら
小春ちゃんとつきあってあげてもいい」

さくらは飛び上がった。