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五十嵐さくらの憂鬱。
第4章 …4
「あいつ、元ヤンて噂のやつだろ?
さくら。脅されてるのか?
大丈夫?
嫌なこと、されてないか?」

彼の真剣な眼差しに
さくらは思わず頼もしく思えた。

「おい、大丈夫かよ?」

「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。
…脅されたりしてないよ」

ーーー実際は脅されてるに近いけどーーー

「…そうか…」

あまり納得していない顔の翔平に微笑んでみせる。

「そういえば小春は?」
「あぁ!あれ、嘘!」
「え!?」

翔平はまたもや口を尖らせた。

「なんか…さくらがやばそうだったから
連れ出しただけ」
「やだ…ありがとう」

ーーーでも。ーーー

先ほど、さくらの携帯のバイブが鳴った。
おそらく、樹からだ。

翔平は部活ということで分かれ
さくらは部室には向かわずに
携帯を見た。
樹から

『約束が終わったら、最寄のバス停にきて』

という一文が。

さくらは仕方なく、翔平に悪いと思いながらもそちらへと向かった。
怒りモード全開のオーラを出していたらどうしようと危惧したが
ビクビクしながら見た樹はいつもの柔和な笑みをたたえていた。

「ごめんね。せっかくの予定だったのに」
「いえ…。分かってますよね、翔平がウソついたことくらい」

それに樹はコクリとうなづいた。
学校からバスで2駅。
さくらの家はすぐそこ。
そのバス停に並んで腰掛けて
さくらは居心地悪そうに身震いをした。

「俺、そんなに怖いかな…」

樹は眉をしかめて、口を尖らせた。
その仕草が樹にしてはあまりにも子どもっぽく感じられて
ついさくらは微笑んでしまった。

「笑ったな」
「笑ってません…!」
「いーや、笑った。失礼な奴だな」

さくらの頬を両手ではさんで
押す力で口を尖らせる。
その無様に半開きの唇に
優しくキスをした。

「友達に警戒されてるみたいだし
さくらも俺のこと怖いと思ってるみたいだし
まだ彼氏とイけてないけど
終わりにしようか? この関係」

願ってもいない申し出だ。
普通なら。
だが、さくらは慌てるように樹を見つめた。

「なに、その顔」
「いえ…」
「もっと俺にいじめられたかった?」

さくらは顔が熱くなるのを感じた。
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