この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
五十嵐さくらの憂鬱。
第5章 …5
「さくら、大丈夫か?」

翔平の声にはっとして
さくらは目をパチパチしばたかせる。

「うん、大丈夫。なんか、びっくりしちゃって…いきなり2人辞めちゃったから」
「また増やせばいいさ」

樹の言葉にさくらはうなづいた。

「ところで、青木くん、用事は済んだの?」
「いや、あの、用事ってほどのあれじゃないし…」

ふーん、と樹が笑う。

「これから青木くんが行くって、今メールで斎藤に伝えておいたよ。
行った方がいいんじゃない?」
「げ! 」

翔平の顔色がみるみる変わる。
斎藤は鬼デビルというあだ名がつくほどの
バスケ馬鹿でスパルタの先輩だった。

「お前、卑怯だぞ…っ!」
「1分でも早く行った方がいいよ?
どうやら、カンカンみたい」
「くそ…! さくら!」

呼ばれてさくらは肩を震わせる。

「いいか、そいつに何かされたら
そっこー連絡しろよな!」

翔平は大声でそれだけ言うと
ダッシュで部室を出て行った。

残されて、しばらくすると
くつくつと笑う声が聞こえて
さくらが隣を見ると
樹が手で口元を抑えて面白そうに笑っていた。

「樹先輩…」
「だって…ふ…ごめん、面白すぎて…漫画に出てきそうで…」

それを聞いて、思わずさくらも笑った。
ふ、と肩を引き寄せられて
ライトな口づけをされる。

「2人きりになれる。これで」

上唇を舌なめずりして
もう1度さくらに口づけした。

「最近、青木くんのガードがあるようだけど
俺のこと何か話をしたの?」
「いえ…別に…」

その間も、さくらを射るように見つめ
キスを続ける。

「あ、の…」

手で樹を追いやるようにして距離を取り
さくらは口を尖らせた。

「あの…」

ーーー副部長だーーー

さくらは初めて樹を見たときを思い出していた。
柔らかな太ももをいたぶる指先。
あの女性の方は、副部長だったのではないか。

「いいなよ」

口ごもるさくらにイラついたのか
樹の雰囲気がガラリと変わった。
殺気とでもいうのだろうか。
樹の周りを覆う空気が一瞬にしてピリッとする。
/249ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ