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五十嵐さくらの憂鬱。
第5章 …5
「言わないつもりだ?」

低い声はさらに低く響く。
立ち上がって近くにあったモチーフの布を持ってくると
さくらの後ろに回り込んで
嫌がる暇もなくあっという間に
後ろ手に手首を縛られてしまった。

外そうにも背もたれが邪魔をして外せない。
完全に椅子にくくりつけられた状態だ。

「あ、あの、言います…」
「いいよ。はい、どうぞ」

言葉を飲み込むと
樹の手が伸びて来て
さくらのシャツのボタンを1つ外した。

「あ、あの、ちょっと…!」
「ん?」

やめてくださいと言おうと顔を上げると
唇を塞がれてさらにボタンを1つ外される。

「ん…っ…!」
「ほら、言わないと…」

樹の指が胸元から盆の首を怪しくなぞる。

「あの、もしかして…きゃあっ!」

樹の膝がさくらの閉じていた脚を割った。
あまりの恥ずかしさに脚を閉じようと力を入れるが
片手と脚で押さえつけられて動かない。

そうしているうちに
またもやボタンを外されてしまい
下着が露わになった。

「やだ…先輩やめて…」

しりすぼみに訴えかければ
樹の指に下着の上から筋ををなぞられた。

「や…っ…!」
「いや?
もう、ここに染みができるほど濡れてるのに?」

コリ、とさくらの蕾を爪で刺激する。
それだけでさくらの上半身が跳ね
悩ましい吐息が漏れる。

「やっ…ぁ…」
「嫌じゃないだろ。
キスしただけでこんなに濡らして。
それとも、縛られて興奮してるの?
とんだ変態だな、さくら」

プチ、とまたもやボタンが外される。

「おへそまで丸見えだよ」

恥ずかしくて下唇を噛み締めると
顎を持たれて上を向かさる。
そのまま柔らかなキスを受け取った。

もうひとつボタンが外れ
引っ張られて肩から服が落ちていく。
樹のなめらかな指先が
さくらの鎖骨を撫で回した。

「ん…んぅ…や、あぅ…」

下着の上から優しく
胸を揉みしだかれれ
親指が敏感な頂きに触れると
さくらの口から甘い吐息が声と共にこぼれ落ちた。

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