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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
「うまっ。」


彼が、満面の笑顔を浮かべてハンバーグを
頬張っている。


「よかったぁ~。
テレビでおいしそうだと思って、
ずっと来たかったんです。」


わたしは、そう言いながら、


スマホで


アボカドのたっぷり乗ったハンバーグを、


パシャリと写した。


そして、ハンバーグを口に運んだ。


新橋から少し歩いたところにある小さなハンバーグの店を訪れた。


お肉の質がよく、挽き肉も肉の塊をわざと残すように挽いているらしい。


口いっぱい、旨味が広がる。


「そっちもちょっと……。」


「え、わたしまだ途中です。」


「いいじゃん、そっちも食べたい。」


まるで子どもだ。
とても7つ年上とは思えない。


「もう~。」


わたしは、少し拗ねてみせた。
食べるの遅いこと、知ってるクセに。


「七瀬、食べるの遅いんだよ。」


ほら、わかってる。


「こっち先に食べろよ。」


彼が頼んだ期間限定の和風ハンバーグ。


鉄のお皿の上に、キレイに半分、ハンバーグが残されていた。


わたしの好きな野菜を多めに残して。


彼は、そちらの鉄の皿を渡そうとした。


慌てて、私は彼の前の空いたスペースに
私の鉄の皿を置く。


そして、彼の鉄の皿を受け取った。


彼とは、いつもシェアする。


私たち、どんな風に映ってるのかな。


仲のいい夫婦?


永すぎた春の恋人同士?


それとも…………。


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