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Moon road〜月への道
第2章 出会い
帰りになると、
花束を社員一同に貰い拍手で送られた。

短い間だったが、
明るくて仕事もテキパキでき、気が利いて、美人な彼女は惜しまれていた。

タクヤと一緒に会社を出て、そのままタクヤの実家に向かった。


タクヤは父親と二人暮らしだった。

二人暮らしと言っても、父親は母屋に住み、タクヤは離れに住んでいた。

離れと言っても、3LDKあり、バス、トイレもあり、普通の家だった。


タクヤの母親はタクヤが小さい頃に亡くなり
祖母に育てられて、その祖母もタクヤが大学に入った年に亡くなったそうだ。


タクヤの実家に着くと、タクヤの父親が出迎えてくれた。

タクヤに面影が似ていて、瞳はとても柔らかで優しそうだった。

業界では有名な設計士で、事務所も母屋を改築して建てたそうだ。


(りえは、この義父とならうまくやれる。)

そう思いながら、話しが弾んだ。


りえの住むアパートの更新が迫っていたので
結婚までの間はタクヤの部屋で同棲することにした。


りえは、小さい時に両親が別れ、父親に引き取られた。なので、りえは母親を知らずにいた。

母親を見つけて、結婚の報告をしてから結婚するということをタクヤも承知した。

母親を慕う気持ちは分かるタクヤは渋々だが承知した。



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