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第5章 月への道を

ユウイチは、相変わらず忙しく仕事をしていた。

仕事部屋から離れのりえの部屋をふと見上げたり
りえの仕事のデスクに座りながら考え事をしたり

りえの事はふとした瞬間に懐かしく
あれから5年経っても胸が痛む事がある。


新井も相変わらずユウイチの家のお手伝いさんをしていた。
新井も離れの掃除に入るとりえを思い出し
懐かしく思うことが多かった。


タクヤはこの家から出て
新しく家庭を作り幸せに暮らしていた。

新しい家族には
一切暴力は振るわないし
心も乱れたりする事がなかった。


タクヤは、ユウイチと何度も沢山語り合い、
お互いに侘びて
前を向いて生きるようになった。

タクヤは、自分の家族を作り
自分の家庭を守り

そんな幸せが彼の心を癒していった。