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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
ユウイチは孤独だった。

りえと出会う前に戻っただけなのに
りえとの愛に嵌り
”二人”でいる事の幸せを知り
一人とらいう孤独が孤独を呼んだ。

仕事に没頭し、名声も高まった。
ユウイチの周りは華やかだった。


外に出れば、綺麗に着飾った女性が
ユウイチを誘惑し、チヤホヤしていた。

ユウイチはいつもりえを追い求めていた。


あるパーティで
ユウイチは有名な芸能人やモデルに囲まれていた。

ユウイチを賞賛し、お世辞を並べる人たちの相手をしていた時、
ユウイチの前を通った女性がふと気になった。


「りえ?」

ユウイチは、慌ててその場から抜け
彼女の後を追った。


彼女は会場を出て
ホテルのロビーに足早に歩き
立ち止まると

「ママ!」

幼稚園児の男女の双子が
背の高い男性と繋いでいた手を解き
その女性に腕を広げ走り寄り抱きついた。

女性はしゃがんでその子供たちを抱き止め

「シーッ」
と、人差し指を口に当てていた。

子供たちも母親の真似をして
「シーッ」
と、笑いながらしていた。


和やかな光景に
久々に微笑んだ。


ユウイチは会場に戻り
受け付けに立ち止まり、
来場者名が記帳された名前を見ていくと

「百田りえ」

見覚えのある字だった。

百田という苗字はしらなかったが
りえに間違いないと思った。

受け付けの女性に
どんな人だったか尋ねたが
綺麗な女性で30代前半に見えたと言った。

「りえだ!」

ユウイチはロビーに戻り
先ほどの親子を探したが見つからなかった。

りえへの想いが
深く強くなっていた。




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