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第5章 月への道を

休日、ユウイチは、久しぶりに母屋の様子を見てから
離れの、タクヤの家に行った。

まだタクヤは起きたばかりのようで、
シャワーを浴びに浴室に行った。

ユウイチはリビングのソファに座り
タクヤを待っていた。

りえと初めてこのリビングで抱き合った時のことを思い出していた。

タクヤが結婚すると言い、突然りを連れて来て
ユウイチはりえが亡くなった妻に似ていた事に驚き
いつの間にか恋をしていたのだった。

りえはタクヤと幸せに暮らしていない事を知り
居た堪れなくなり
健気なりえに想いがいっぱいになり、
いつの間にか抱き締めていたのだった。

りえの笑顔を見たくて、喜ぶ姿が見たくて
りえに優しく優しくしていた。

いつの間にかりえを愛し
りえの為ならなんでも出来ると思い
りえを守る事を自分自身に誓ったのらだった。


嵐の夜、
りえを抱いた事は今でもしっかり覚えている。

あの時以上に今は
可愛く愛しい存在にりえはなっていたのだった。