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Moon road〜月への道
第5章 月への道を

「私の為?私の為ならこんな事しなくていいわ!私はお義父さんを愛していて、お義父さんの傍に居たいの!
私がお義父さんもタクヤ君も困らせているのは分かる。
でも、私はお義父さんが好きなの。お義父さんが離れるなら、私はもう生きていたくないわ!」

りえはホテルのベランダに走り出した。
ユウイチはりえを追った。

「もう、嫌よ。こんな辛い人生なんていらない。さよなら。」

りえは柵を越えようとした。

ベランダに露天風呂があり、リゾートホテルのような開放感があった。

「りえ、待て!りえ!」

ユウイチは柵を乗り越えようとしているりえを掴んだ。

「落ち着けよ、りえ。落ち着け。柵を越えても高さは1メートルも無いよ。だから…」

りえは、我に返り下を見た。
隣の建物の平たい屋根があった。

りえはその場にヘナヘナとしゃがみこんだ。

ユウイチはしゃがみこんだりえを抱き締めた。

「ああ…りえ。愛してる。愛してる。」
そのままりえを押し倒しキスをした。

りえもユウイチのキスを受け止めていた。

「ああ…お義父さん。。んっ。。。」

外で裸になるにはまだ肌寒い三月の始めだった。



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